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〈自分の中の負の感情に向き合うとどうなるのか〉

執筆者の写真: 土方 奈々絵土方 奈々絵

更新日:1月29日



この記事は、

過去のニュースレターのアーカイブとして公開しているものです。

原則として、配信当時のそのままを載せています。


 


こんにちは!

コーチ・カリエレの土方奈々絵です。

 


トマス・レナードは

「混乱した感情は強力で、教師として非常に有効である」 (The Portable Coach: Step3導入部)

と言っています。


 

自分の中に怒りや悲しみ、恐れ、モヤモヤなどの感情が起こる時、

その背後で何が起こっているのかを探っていくことは、自分自身をより深く理解する機会となります。

とはいえ、そうした「負の感情」に向き合うことは、とても辛かったり苦しかったり、

嫌な自分に向き合うことでもあるので、「避けたい」「見たくない」と思うのも無理はありません。

 

負の感情に向き合うにはどうしたらいいのか?

向き合って気づいたことをどのように活かしていくのか?

参考になればと思い、少し長くなりますが私自身の経験をシェアいたします。


 


ことの発端は、数人で「在り方」について話をしている時のことです。

ある方が、他の参加者の方の「在り方」についてネガティブな指摘をしました。

そのことがきっかけで、お2人が口論のような言い合い状態に陥ってしまいました。

 

その間、私はそれぞれの方に何が起こっているのかにアンテナを立てて話を聞いていました。

その中でお2人の「課題」と思われるものを感じましたが、

感情的になっているお2人の前でセンシティブな内容をフィードバックしてもご本人が受け止められるとは思えず、

かといってどのようにその場に関わっていったらいいのか、分からなくなってしまいました。

 

(私はここで「課題」という言葉を、「自分が進化するために取り組むテーマ」という意味合いで使っています。

「課題」という言葉に抵抗がある方は、ご自分に合う言葉に置き換えてお読みください。)


 

このように人が対立した時、それぞれの言い分に共感して混乱することが今までもあったことを思い出しました。

上手くお2人に関われなかった後悔、残念な気持ち、自分の不甲斐なさ、などなど

寝付けなくなってしまうほど心がざわめき続けたので、ここにある私自身の「課題」に対応すると決めました。

 


そこで、この経験から課題として自分が学ぶことをテーマに、マイコーチにセッションをお願いしました。

改めて、その時の自分の思考、感情、欲求(ニーズ)、行動に焦点を当てて振り返っていく中で、

ネガティブな感情を突き付けられるとショックで思考がフリーズすること、

冷静に客観的な立ち位置で関わろうとしていたつもりでも、

共感性の強みを発揮してお2人と一緒に揺れ動いていた自分に気づきました。

そして、今後同じような状況が起きた時に自分がどうあったらいいのか、

具体的にどう関わっていくことが可能かを話しました。


(「ニーズ(欲求)」とは、自分自身が最高の状態でいるために満たされなければいけないものです。

自分の存在を認めてほしいという「承認欲求」を例にとると、

満たされないととても苦しかったり辛かったりなど負の感情を持ち続けることが多く、

欲求を満たすために事件を起こすなど、行動の動機となり得るものです。)

 

そのセッションで色々なことが明確になったおかげで、一旦心のざわざわは落ち着いたのですが、

しばらくすると別のざわざわが起こってきました。

最初は他のことに集中して忘れようとしましたが、ふと気が付くとこのことを考えている自分がいます。

これはもう、心が結論を出すまで徹底的にこの「ざわざわ」に付き合ってみるしかないと思いました。

 


正直、このざわざわに付き合うのはとてもしんどかった…。

気分が上がらないのはもちろん、何をしていても自分のエネルギーがロスし、下がり続けるのを感じていました。

パフォーマンスが下がったことにも参りました。

引き続きよく眠れず、腰の強張りが痛くて仰向けになれず、以前痛めた膝の痛みもぶり返しました。

何より、自分の中のネガティブな感情に気づいて、自分の未熟さを痛感し痛さを何度か味わいました。

 


ターニング・ポイントは「(相手に)~してほしい」という思いがあることに気づいたことです。

「~してほしい」という表現は、まさにそこにニーズがあるということじゃない?

そう思って焦点を当てていくと、自分に「間違えたくない」というニーズがあることに気がつきました。


気づいた瞬間、身体の中心からスコンと何かが抜け落ちるような感覚を感じました。

そして、安堵の感情が沸き起こり、続いて目頭が熱くなりました。

手放したくても消えなかった心のざわざわが、すっと退いていくのがわかりました。

爽快な気分が戻ってきて、次第に体の不調も快方に向かいました。


 


以上が私の経験です。


自分のニーズに気づくことはとても難しいので、負の感情からニーズを実感できたことは大きな発見でした。

その後『自分の言動の中に「間違えたくない」と言うニーズがあるのでは?』というアンテナが立ち、

日々の中で『あれ、これって「間違えたくない」ニーズに起因してない?』と気づいて噴き出すこと数回。

自分の痛いところを笑い飛ばせるようになって、進化のプロセスを一歩進んだように感じています。

 

このニーズをどう満たしていくかは次の課題です。

しかし、この経験から多くの学びを得て、自分の課題に向き合い通した充足感があります。

負の感情は本当に豊かな学びの源です。


 


最後に、この経験をシェアするにあたって補足があります。


私自身が引き寄せの原理原則に沿って行動してみた結果、

以前より自分が心地よい状態(在り方)でいられるようになっているのを感じるし、

トマスの本の中で起こっていることが自分にも再現している実感があります。


だからと言って、みんなもこれをすべきだと言っているのではありません。


トマスが言っている進化とは、ダメな自分を改善することでも、より「良い」人間になることでもありません。

より心地よい状態で生き続けていけるような変化が自分自身に起きること、ただそれだけなのだと思います。


だから、自分の中の負の感情の中に、何か学びがあるのではないかと感じているなら、

トマスの原理原則が自分に活かせそうだ、自分に合いそうだと感じているなら、

ちょっと勇気を出して、この原理原則を上手く使って一歩踏み出すことで、

新たな発見を手に入れ、より居心地のいい状態を創り出す可能性があること、

つまり進化する可能性があることをお伝えしています。



そしてもう1つ。

ネガティブな感情はとても強力なので、扱い方を間違えるとかえって酷くなる可能性もあります。


だから無理をしないこと。

準備が整っていないのに見ようとしても、おそらく見ることはできません。

自分1人で何とかしようとしても、おそらく何ともなりません。

私のように、心から信頼のできる熟練したコーチ(もしくはカウンセラーなどの専門家)を活用することをお勧めします。


私も自分の負の感情にここまで向き合えるようになるまでかなり長い年月がかかりました。

1人1人に自分に合ったペースとタイミング、自分に合ったやり方があるはず。

それを見つけるために、私の経験が参考になれば幸いです。


 

それではまた!

 


 

追記)このプロセスでは、トマスの引き寄せの原理原則の以下のステップを参考にしました。

Step1. 信じられないほど自分本位になる / Become Incredibly Selfish

Step3. すべての出来事に過剰に対応する / Overrespond to Every Event

Step6. 他の人に奥深く影響を与える / Affect Others Profoundly

Step13. パーソナルニーズを決定的に満たす / Get Your Personal Needs Met, Once and for All

Step17. 自分の最たる弱みを認める / Endorse Your Worst Weaknesses

Step20. 必要以上に人格を高める / Develop More Character than You Need

Step21. 現在が本当にどれほど完璧であるかを見る / See How Perfect the Present Really is

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