この記事は、
過去のニュースレターのアーカイブとして公開しているものです。
原則として、配信当時のそのままを載せています。
こんにちは!
コーチ・カリエレの土方奈々絵です。
皆さん夏休みはどのようにお過ごしですか?
私は「28 Principles of Attraction(28の引き寄せの原理原則)」について改めて調べています。
トマス・レナードがアメリカでコーチングを始めて30年以上、
今でもコーチングは進化し、発展していることはとても素晴らしく、喜ばしく思います。
と同時に、本当にコーチングと言えるのか疑わしいものがあるのも事実で、
私たちは何かを見失っていないか、基本に立ち戻ることも大事なのではと思っています。
「引き寄せの原理原則」はコーチングの1つの領域として今でも十分活用できる、素晴らしい知見です。
ところが、残念なことに日本ではあまり知られていないし、情報も多くありません。
英文資料から情報を掴むのはちょっと大変だけど、いろいろなことが分かっておもしろい!!
そこで、今回は「引き寄せの原理原則」の足跡についてわかったことをシェアしたいと思います。
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~
トマス・レナードはもともと会計士の仕事をしていましたが
顧客が単にお金以上のもの、人生をより良くすることを求めていると気づき、
様々な試みの中でコーチングを形作っていきました。
トマスは1988年に、価値ある人生と仕事を作るための「デザイン・ユア・ライフ」というコースを開設し、
1992年には「Coach University(コーチ・ユニバーシティ/CoachU コーチ・ユー/
電話のテレクラスでトレーニングを行う最古のプロ・コーチ養成機関)」を創設しています。
このコーチ・ユニバーシティの創設期(1991年~1997年)では、
「Clean Sweep Program(一掃プログラム/4つの重要な領域で人生を一掃し整える)」
「Personal Foundation Program(パーソナル・ファウンデーション・プログラム/自己基盤を整える)」
「Coach Training Program(コーチ・トレーニング・プログラム/CTP/コーチの養成プログラム)」等が開発されました。
これらをさらに発展させた次の段階のプログラムが「The Attraction Program(引き寄せのプログラム)」です。
そして、その内容を「28 Principles of Attraction(またはAttraction Principles 引き寄せの原理原則)」として
本にまとめ、1998年に出版したのが『The Portable Coach(ポータブル・コーチ)』です。
謝辞にも、「引き寄せのプログラム」として実施していた内容からこの本が出来上がったと書いてあります。
トマスは『ポータブル・コーチ』が発刊される前の1996年にコーチ・ユニバーシティを売却、
インターネットの可能性に着目して、ネットを使った事業・サービスを展開していきます。
1998年には「TeleClass.com(テレクラス・ドットコム)」を開設し、
電話とRealAudio(音声ファイル)で1週間に100以上のコーチング・クラスを配信しました。
2000年にはデイブ・バック氏とともに「CoachVille(コーチ・ヴィル/コーチ向けオンラインコミュニティ)」を設立、
ここでもオンライン・コーチング・トレーニング・プログラムを提供しています。
「引き寄せのプログラム」はこうしたサービスの移り変わりの中でも引き続き提供され、
コーチ・ヴィルでは2008年には自己学習プログラムのコンテンツとして提供されていました。
今でも28の原理原則がHPに紹介されていますが、現在はプログラムやそれに準じる形では提供していないようです。
ネットを検索してみると、他にもこの原理原則を謳っているコーチがいますが、数は非常に少なく、
2003年にトマスが他界した後、「引き寄せの原理原則」も次の発展段階に進化していったと考えられます。
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~
さて、トマスが他界した後の2007年、
前述の『ポータブル・コーチ』が『The 28 Laws of Attraction(28の引き寄せの法則)』として出版されました。
この本は文中の固有名詞「コーチ・ユニバーシティ」が「コーチ・ヴィル」に置き換えられているだけで、
実質的な内容は『ポータブル・コーチ』と変わりません。
アマゾンでは『28の引き寄せの法則』はKindle版でも購入できるので、今でも一定の購読者数がいる可能性があります。
ちなみに、改訂版のタイトルでは「Laws(法則)」となっていますが
トマスは文中を始め一貫して「Principles(原理原則)」という言葉を使っています。
私の推測ですが、その前年にロンダ・バーンの『The Secret(ザ・シークレット 邦訳は2007年出版)』が発刊され、
ブームになったことから「Laws of Attraction(引き寄せの法則)」という言葉を使ったのではないかと思っています。
日本では堀紘一氏が2001年に『ポータブル・コーチ』の翻訳本『いつも「いいこと」が起きる人の習慣』を出版し、
その後も2回改訂版を出しました。
コーチではなく経営コンサルタントという立場で訳しているためか、一見、成功哲学の本のような内容です。
コーチング特有の要素(ニーズ、価値など)はごっそり省かれているので、
翻訳本では引き寄せの原理原則を深く理解するのは難しいのではと個人的には思います。
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~
トマス・レナードは他にも国際コーチング連盟を立ち上げるなど、
コーチングの初期の発展に欠かせない人物で「コーチングの父」と呼ばれています。
2005年に行われたアメリカのコーチに対する調査でも、
「コーチングに最も影響を与えた人は?」という質問で1位に輝きました。
それくらいアメリカでは有名なのに、日本でトマスのことが知られてないのはとても不思議ですよね…。
さらに、「コーチングの父」と呼ばれる人の本が翻訳されているにもかかわらず、
日本で「ポータブル・コーチ」とその訳本、「引き寄せの原理原則」が知られていないのは残念だし、もったいない!
この辺りは研究者魂が刺激されるところで、今後さらに調べてみたいなぁと思っています。
さて、今回の内容はいかがでしたか?
「引き寄せの原理原則」の裏話的な内容ですが、あなたにも興味を持っていただけたら嬉しいです!
良かったら、感想を教えてください。
質問も大歓迎です!
それではまた!
【参考】
(書籍)
"The Portable Coach: 28 Sure Fire Strategies For Business And Personal Success"Thomas J. Leonard (1998) . New York, Scribner(ハードカバー版)
"The 28 Laws of Attraction: Stop Chasing Success and Let It Chase You"Thomas J. Leonard (2007) . New York, Scribner, (ペーパーバック版/Kindle版)
「いつも「いいこと」が起きる人の習慣—自分を画期的に改善する21の法則」トマス・レナード著、(堀紘一訳 2001). 東京,三笠書房
「「成功脳」に変わる本—チャンス、金、人間関係」トマス・レナード著、(堀紘一訳 2005). 東京,三笠書房「いつも「いいこと」が起きる人の習慣—自分を画期的に伸ばす19の法則」トマス・レナード著、(堀紘一訳 2009). 東京,三笠書房/知的生きかた文庫
「コーチングのすべて」ジョセフ・オコナー, アンドレア・ラゲス著,(杉井要一郎訳 2012)英治出版
「コーチング心理学概論」西垣悦代、堀正、原口佳典編著 (2015). 京都, ナカニシヤ出版
(インターネット)
ウィキベディア(英語): https://en.wikipedia.org/wiki/Thomas_J._Leonard
コーチ・ヴィル(米国版/英語)Attraction Principles のページ : https://www.coachville.com/dotlrn/clubs/BC-Attraction
Amazon(The 28 Laws of Attraction) : https://www.amazon.co.jp/28-Laws-Attraction-Chasing-Success/dp/1416571035
School of Coaching Mastery(英語)Free 28 Principles of Attraction 10-Week eCourse by Thomas Leonard (Edited by Julia Stewart):https://www.schoolofcoachingmastery.com/28-principles-of-attraction-by-thomas-leonard ※今読み込んでいる英文資料はこれ。 Attraction Principlesについての情報が詰まったメールレターで、とても参考になります。

Comments